川の両岸は水田に囲まれてるので、長閑な田園風景が広がっています。
水田の隅には写真のような注水枡があって、農繁期はここから灌漑水が流れます。
夏はほとんど毎日注水があって、その水量は枡の底が見えなくなるほど多いです。
この注水枡の水源は地中に埋設されている農業用水ですが、
注水中に曝気されて酸素が取り込まれるためか、毎年ヒメタニシが多く発生します。
冬季は上の写真のとおり、灌漑する必要もないので注水も無く、枡の底が露出します。
この枡には雑草も生えていました。
水も蒸発して干上がっているので、もう生きているヒメタニシは居ないかな?と、
雑草の生えた方の注水枡を覗いたところ・・・
見事に干からびたヒメタニシの貝殻がたくさん転がっていました。
ざっと見ただけでしたが、殻口を塞ぐための蓋が付いた個体は見当たらなかったので、
ほとんどがヒメタニシの死骸でした。
(写真左下の方にはマシジミorタイワンシジミの貝殻もあります)
しかし良くみると・・・カワヒバリガイ(黒っぽくて細長い二枚貝のやつ)の死骸もあります。
このカワヒバリガイ、特定外来生物なのでここに存在しているのはマズイのです。
この写真だけでも10個体以上確認できるので、この注水枡1コでも相当な数になります。
ほかの場所にも居ないかと周囲を探してみましたが、ヒメタニシの貝殻が散見できる以外はまったく見当たりませんでした。
ここで一つ疑問が湧きました。
今は農閑期なので注水枡にも水田にも水が無いのですが、
この注水枡は水田の一番川上の方にあって、ここから注水した灌漑水は
水田脇の側溝および水田を伝ってすぐ隣の川に流れる仕組みとなっています。
川は水田より平時で2mくらい低い場所を流れていて、水田からの灌漑排水が川へ流出する箇所もコンクリートの断崖となっているので
川からの水の逆流は洪水時以外は物理的に不可能で、
また同様の理由から川と水田を魚が往来するのはほとんど不可能です。
このカワヒバリガイ、どこからやって来たのか・・・。
普通に考えると地中に埋設された農業用水が発生源としか思い浮かばないのですが、
実際のところはどうなんでしょうか?
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